りんご畑で読書、時々お茶。

りんご園手伝いacoの生活メモ

青い目のカラス

散歩の途中、あれは犬を連れず一人で歩いていた5月頃のこと、道端の、私から2メートルぐらいの距離にある棒の上に、一羽のカラスがとまっていた。
やけにボーっとした雰囲気のカラスだったので、立ち止まって観察してみた。頭の毛がボサボサフワフワとして、私がじーっと見ていても身構えない。羽根にも艶がない。そして、よく見ると、目が青かった。

青い目のカラスなんて初めて見た私はびっくりして、「こりゃ新種か何かかな?」と思った。もしくは毛に艶がないので、体調の悪いカラスかなと。しかしそれにしては全体の印象はすこやかで、すこやかにボーッとしたカラスだった。


農作業をしているとカラスとのエピソードには事欠かない。母は畑の休憩時間に食べるためのおやつを車のなかに積んでいたが、窓を閉めるのを忘れ、カラスの侵入を許し見事におやつをさらわれた。

平飼いしていた鶏の卵を洗っていてちょっと目を離したすきに、卵を持っていかれたこともたびたび。

ご近所のおばあさんは、空中を飛んでいく自分のお弁当を追いかけ、(「待てー!」と叫んだけれど待たなかったらしい)

私は小さい頃道路で転んだら、頭上の電線に止まったカラスにケタケタケタと笑われた。

父はカラスを見るとマメに威嚇するので、彼が姿を見せるとカラスはいなくなる。
(母はその逆で扱いやすいと思われているのか、カラスがよってくる)


そんなカラスの行動がなぜなのかが『カラスの教科書』を読んでだんだん分かってきた。

カラスの教科書 (講談社文庫)

青い目のカラスは、ズバリ「ひな」だそうです。新種じゃなかった。

それから7月頃、カラスが4羽プラム畑で、(摘果して地面に落ちている)プラムの実を、順番にくわえては落としくわえては落とししているのを見かけた。「なんだかかわいいなあ」と思い、父に聞いてみたところ、「それはカラスの学校で、子どもがいたずらの仕方を大人から習っているのだ。全くかわいくない。」と至極真面目に答えられ、ほんとかいなと思ってちょっと笑ってしまった。

その答えも本書を読むと分かる。

そしてやっぱりカラスは人間より賢そうだなあと、あのキラキラ光る目を見て思うのだ。